生成AIによるコピーライティング

生成AIは頼れるアシスタント!~キャッチコピー制作編~

TECTEC中田です!

クリエイターを目指す皆さんにとって、無視できない存在になりつつあるのが、今流行りの「生成AI」と呼ばれる技術。

イラストや実写風の画像、プログラミング、音楽の作曲に至るまでプロと遜色のないクオリティの作品をゼロから生み出せる時代となりました。

生成AIを「自分達の仕事を奪うかも知れないライバル」と考えるか、共存していくべきと考えるかは人それぞれ。

個人的には「人間が創作活動をする上でのアシスタント的ツール」として生成AIに仕事を手伝ってもらうのが賢い活用方法だと考えています。

漫画家であれば「キャラクターを自分で描いて、背景を生成AIに描いてもらう」みたいな分業制を採用するプロが今後現れてもおかしくありません(既にいるかも)。

ちなみに私は現在ライティング業務を中心に行っているので、今回は「生成AIをどうやってライティングに活用するか」を少し紹介したいと思います。

たとえば、ある時「高齢者向けマラソン大会のポスターに載せる、キャッチコピーを考えてほしい」という依頼を受けたと仮定しましょう。
(架空の案件ですので、開催される季節や参加資格など細かい設定は省きます)

これを1人で考えていても、なかなかしっくりくるアイディアが浮かばない…。

そこで生成AIの出番です。

今回はアメリカの人工知能開発企業「OpenAI」が開発した、ブラウザ上で人間の質問や要望に応答する生成AI「ChatGPT」を使用します。

ChatGPTに以下のような文章を打ち込んでみました。

ここで重要となるポイントは

・ChatGPTに「役割」を与える
・なるべく具体的に指示する
・回答に対して再調整する

の3点です。

「役割」とはChatGPTに「何らかの職業を演じてもらう」ということです。

今回のようにキャッチコピーを考えさせるのであれば「プロのコピーライター」に、プログラムを書かせる時はプログラマーに、ビジネス文書を書くなら優秀なビジネスマンになりきってもらうことで、回答の質が向上します。

また、具体的な指示とは「ポスターに使うコピーであること」「高齢者とその家族に呼びかけるコピーであること」「参加人数を増やすのが目的であること」などですね。
いくつか候補がほしいので、回答数も10文字以内×2、15文字以内×2、20文字以内×2の6パターン考えるように指示しました。

このように、ChatGPTに対して様々な指示を与える文章を「プロンプト」(命令文)と呼びます。

さて、先ほどの「マラソン大会のキャッチコピーを考えてください」というプロンプトに対して返ってきた回答は以下の通り。

これらの回答を見て、どう感じたでしょうか?

確かに高齢者マラソン大会のコンセプトに沿っていますし、エントリーしよう!と前向きな気持ちにさせてくれるキャッチコピーではありますが、どこか「ありふれた」印象で、若干インパクトに欠けるような気がします。
(あくまでも個人の感想です)

そこで、次のような質問を追加で入力してみることに。

すると、以下の回答を返してくれました。

先ほどとは違う回答となっています。

ただ、これが最初の回答より「肩の力を抜いた感じ」かといわれると、むしろより堅苦しくなってる回答もいくつかあるような気がします。

そもそも「肩の力を抜く」というふんわりしたニュアンスがAI側に伝わっていなかったのかもしれません。

そこでさらに指示の仕方や条件を変えてみて、また違う回答を出力させる…といったことを繰り返します。
これが重要ポイントの3つめに挙げた「回答に対して再調整する」作業です。

そんなこんなでChatGPTから何十個もの回答を引き出しているうちに、ひとつのキャッチコピーが目につきました。

「年輪を重ねる」という言い回しがやや重たい感じなので、そのままではキャッチコピーとして使いにくいところですが「年をとるほどフットワークが軽くなる=若返る」的な発想は大きなヒントになりそうです。

このヒントから私は

「スタート地点の時より、若返りましたね。」

というキャッチコピーが思い浮かびました。

健康的な高齢者がゴールテープを切る瞬間の写真などに合わせれば、いい感じのポスターになるのではないでしょうか。

ちなみに、このキャッチコピーがプロのコピーライターからどのように評価されるかをChatGPTに添削してもらいました。

「感覚的でユニーク」と嬉しい言葉もいただき、プロのコピーライターであるChatGPTの評価はそれなりに良かったようです。

以上、ChatGPTをライティングのアシスタントとして活用する流れの一例を紹介いたしました。

ChatGPTの回答をそのまま採用するのではなく、いくつかアイディアをもらい、そこから自分なりに改良していく。

何を書いていいのか行き詰った時に「たとえばどんなキャッチコピーがあるか」を聞いてみて参考にできるというのは、まさに頼れるアシスタントといったところではないでしょうか。

生成AIの特性を把握し上手に使いこなす、新しいスタイルの次世代クリエイターが今後増えていきそうですね。

※本文中のデータ・最新情報などは以下のサイトを参考にさせていただきました。

<Liquid Studio Official(note)>
ChatGPTプロンプトテクニック一覧

<AIsmiley>
ChatGPTを活用するためのプロンプトとは?例文を交えて精度が上がる命令方法を紹介

<EXAWIZARDS>
プロンプトエンジニアリングとは? ChatGPTで代表的な12個のプロンプト例 や作成のコツも解説

<中田敦彦のYouTube大学(YouTube)>
【GPT-4の使いこなし方①】AIで仕事を作る人、AIに仕事を奪われる人!使いこなせば未来を掴める
【GPT-4の使いこなし方②】AIの上手な活用方法は「入力が7割、調整が3割」

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