生成AIは頼れるアシスタント!~「作業効率を高めよう」編~

TECTEC中田です!

以前、このTECTECブログにて

「生成AIは頼れるアシスタント!~キャッチコピー制作編~」

という記事を公開いたしました。

さて、その際にひとつの例として制作したのが

「マラソン大会のキャッチコピー文」

です。

プロンプトも

というシンプルなものでした。

OpenAI社の生成AIである「ChatGPT」は日本語の曖昧なプロンプト(命令文)にもある程度対応できる能力を有しているため、このようにざっくりとした箇条書きのプロンプトでもそれなりのクオリティーが保証されたキャッチコピーを出力してくれます。

そこで今回はさらに踏み込んで

「ひとつのプロンプトでキャッチコピーを量産できる、効率的な方法」

を紹介してみたいと思います。

ちなみにこの方法はキャッチコピーだけでなく、ブログ記事や論文、長編小説・脚本、アイデア出しやさらには画像生成にも応用できるので、ぜひ参考にしてください。

今回、ChatGPTに依頼するのは以下のような作業です。

<プロンプト(命令文)>

役割付与

あなたは食品のキャッチコピーや魅力説明文を考えるプロです。このたび、食品のキャッチコピーおよび魅力説明文を書く仕事を依頼されました。

入力項目

食品名:アジフライバーガー
ジャンル:ハンバーガー
販売元:スマイルバーガー株式会社
価格:380円
発売日:2026年4月3日
補足事項1:濃厚ソースが決め手
補足事項2:ちょっとはみ出たアジのしっぽが特徴
補足事項3:TVで特集された

命令

「入力項目」に基づき、食品のキャッチコピーを20文字以内、魅力説明文を200文字以内で書いてください。

禁則事項

  • 食品名はキャッチコピーおよび魅力説明文には書かない
  • 「――」の使用禁止

レビュー作成ルール

  • 補足事項 に書かれている情報は必ずレビュー文に織り込む
  • 可能な限り、指定文字数を守る
  • 「ですます調」もしくは「体言止め」もしくは「頓絶法」の文体を基本とする
  • 食品のキャッチフレーズや魅力説明文の一般的なトーンを真似する

------ここまで------

前回の記事で紹介したプロンプトと比べると、かなりプログラムっぽい感じの、本格的なスタイルになっていると思います。

ではさっそくプロンプトの内容を見ながら、ちょっと役立つ豆知識を。

「#役割付与」

これは前回説明したように、ChatGPTに役割を与える指示です。

さて、頭についている「#」ですが、これはChatGPTにおいて「見出し」と解釈されます。

見出しは別に「【役割付与】」でも「役割付与:」でもなんでも良いのですが、この「#」があることによってプロンプトを段落ごとに区切りやすくなるため、ChatGPT側の「誤読」が減るといわれています。

覚えておいて損はないでしょう。

「#入力項目」

ここでキャッチコピーの制作に必要な各種情報をChatGPTに読み込ませます。

「#命令」

ここで具体的な命令を出します。今回は「キャッチコピーを20文字以内、魅力説明文を200文字以内で書く」という命令ですね。

「#禁則事項」「#レビュー作成ルール」

(個人的な好みで、商品説明文を「レビュー」にしています)

ここでひとつ豆知識として、ChatGPTには

「より制約の強いニュアンスで書かれてある指示を優先する」

性質があります。

たとえば「#禁則事項」に「びっくりマークを使うな」と書いてあり、「#レビュー作成ルール」に「びっくりマークを多用しましょう」と書いてあった場合、「#禁則事項」が優先され、びっくりマークはほぼ使われません。

制約の強いニュアンスとは「絶対」「必須」「最重要」「禁止」「守れ」といったような表現で、その次に「推奨」「なるべく」「できるだけ」のような表現です。

「自分の思った通りの回答をChatGPTが出力してくれない…」と悩んでいる人は、言葉のニュアンスを変えてみるのも有効だと思います。

ちなみに「頓絶法」とは「言葉を途中で止めて読者の期待を持たせる」技法です。

「あのアジフライがまさか…!」

みたいなことですね。

また、禁則事項の「食品名はキャッチコピーおよび魅力説明文には書かない」「『――』の使用禁止」の2点ですが、

ダッシュを2つ並べて文章に余韻をもたせる手法が(私のなかで)あまり好きではないのと、アジフライバーガーのキャッチコピーで「美味しいアジフライバーガー!」のような表現は「くどい」感じがするのでNGにしました。

一応、ここまでのプロンプトをそのままChatGPTに入力するだけで

と、素敵なキャッチコピーと魅力説明文を出力してくれます。

ですが、これでは別の食品のキャッチコピーを作るたびに先ほどの長いプロンプトを打ち直さないといけないため、ChatGPTとのやり取りを遡る際に時間がかかってしまうのは否めません。

ここで活用したいのが

「先に『役割』と『執筆ルール』だけ覚えさせておいて、食品の情報だけ入力したら出力されるように設定する」

方法です。

どういうことかというと、同じチャットルーム内に限り、ChatGPTに「前提条件を記憶させる」ことが可能なのです。

具体的には

「役割を覚えさせる」→「執筆ルールを覚えさせる」→「食品の情報を入力する」

の順で、プロンプトを3分割します。
(2分割でも4分割でも構わないのですが、今回はバランス的に3分割することにしました)

まず、役割付与のみのプロンプトです。

最終行の「このプロンプトを覚えてください」がポイントです。
また、手順が把握しやすいように「STEP1」と記入しています。

ここまでの前提条件をいったん、ChatGPTのメモリに記憶させます。

すると、おそらくChatGPTは「記憶しました!今後、このSTEP1で与えられた条件を前提として作業します」みたいな返事を出力してくるはずです。

「STEP1」は特段「ChatGPT専用の指示コード」というわけではなく「その1」とかでもよいのですが、分割された指示に通し番号を振ることによって、人間側が意図する通りの手順で動いてくれる可能性が高まります。
(これもまた「誤読」を防ぎ、動作を安定させることを重視しています)

続いて、禁則事項とレビュー作成ルールを覚えさせます。

するとChatGPTは
「今後、STEP1とSTEP2を組み合わせ、食品キャッチコピー&魅力説明文の生成プロンプト一式として機能させます」
という旨の返答をしてくれると思います(言い方は多少異なります)。

この状態で改めて

と、入力項目だけ埋めれば、先ほどと同じようなキャッチコピーと魅力説明文を出力してくれます。

こうすれば、続けざまに他の食品のキャッチコピーを作りたい場合でも

入力項目を埋めて、Enterキーを押すと…

出力してくれました。

わざわざもう一度先ほどの「役割付与→禁則事項→入力ルール」を打ち込む必要がなくなるので、画面がスッキリと見やすくなりますし、なにより同じ作業を大量にこなすような仕事だと各段に効率がアップするはず。

注意点としてひとつ挙げると、ChatGPTのコンテキスト長(会話内容を保持している量)には限界がありますので、何十回も繰り返しこの作業をしていると「最初の前提を忘れてしまう」可能性があります。

もし突然ChatGPTが「なんか食品名とメーカーを書いてますけど、これはなんですか?」などと聞き返してきたら、再度STEP1とSTEP2の指示を与えてみてください。

あと、最初に述べたようにこの方法は「同一チャットルームでのみ」有効です。
新規チャットで行う場合も再度STEP1から打ち直しましょう。

<おまけの裏ワザ>

もっと独創性のあるキャッチコピーを作ってほしいな…と思ったとき、もちろん日本語で

「もっとユーモラスでインパクトがあるキャッチコピーにして」

と伝えてもいいのですが、実はChatGPTの内部パラメータである

・top-p
・temperature

この2つの数値を直接変更する方法もあります。

ChatGPTは文章を生成する際に「この言い回しのあとはこういう単語を使う傾向が多い」と判断して組み立てます。
たとえば「すっきりとした」なら「飲み口」「味わい」「酸味」などです。

「top-p」の数値を上げていくと、この「次に来る単語の幅」が広くなります。

「すっきりとした切なさ」のような、珍しい言い回しが生成される可能性も出てきます。

また「temperature」は「文章の暴れ具合」を調整するパラメータです。

temperatureの値を高くすればするほど「普通の文章や会話では使うことのない、トリッキーな表現」を多用するスタイルになります。

ジュースを飲んで「すっきりとした飲み口」と思うのではなく、最初から「喉を駆け抜ける爽快なサウンド」のように捻った表現を出力してくる可能性がアップします。

人間にたとえるなら、temperatureは独創性そのもので、top-pはその人が持っている語彙のバリエーション、といったところでしょうか。

試しに、先ほどの「アジフライバーガー」のキャッチコピーおよび商品説明文を、

top-p…0.9
temperature…1.8

で出力させてみましょう。
(top-pの上限は1.0、temperatureの上限は2.0です)

入力項目のところに付け足すだけで大丈夫です。

さて、出力結果はどうなるでしょうか?

食べる行為を「冒険」に例えたり、アジフライのしっぽに喋らせるなど、かなり自由奔放な発想ですね(笑)。

ChatGPTには様々な内部パラメータが存在するのですが、一般ユーザー側が直接数値を調整できるパラメータは数個しかなく、top-pとtemperatureはそのうちの貴重な2つです。

必要に応じて活用してみてはいかがでしょうか。

<まとめ>

今回はChatGPTの活用方法・第2弾をお届けいたしました。

2026年以降、仕事でも日常生活でもAIを使う機会がさらに増えていくと思います。

自分自身のクリエイティブな強みを磨きつつ、AIとうまく共存していきましょう!

※本文中のデータ・最新情報などは以下のサイトを参考にさせていただきました。

<ROOM8>

ChatGPTは長文が苦手?分割生成でブログもスピーチも仕上げるコツ

<AI NAVI>

[ChatGPT] 長文を扱うには?要約/入力/分割のノウハウ解説

<Zenn>

OpenAI playgroundで学ぶTemperatureとTop P