TECTEC中田です!
常時マスク着用で過ごす人が減ってきた昨今。
しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響で急激に普及した「在宅ワーク」は
新たな働き方として多くの会社が制度の活用を続けています。
就労支援系障害福祉サービスでも条件を満たせば在宅利用できる事業所が増えてきました。
そこで、在宅ワークにはどのようなメリットとデメリットがあるのかを考えてみたいと思います。
まずメリットは以下の通りです。
(1)通勤する必要がない
(2)慣れた環境(自分の部屋など)で働ける
(3)在宅ワークを導入している企業で働く際のアピールになる
(4)対人スキルに自信がなくても働ける(※場合による)
ひとつずつ見ていきましょう。
(1)通勤する必要がない
毎朝の通勤ラッシュ時に人混みをかきわけながら通所するのは、福祉サービスを利用する人にとって相当ハードルが高いかも知れません。
人が多い場所でのパニック傾向などが強い場合であれば、自宅で作業するのは理想の働き方といえます。
ただし、当然ながら在宅ワークのない企業に就労しようとする場合には「在宅ワークしか経験がない」ことがネックになる可能性も。
どのような経緯で在宅ワークをするようになったのか、自身の特性や症状も含めて説明できるようにしましょう。
(2)慣れた環境(自分の部屋など)で働ける
通所するより自宅で作業をするほうが、周囲にいる他の利用者の目を気にせず集中できるという人もいます。
パーテーションや防音設備を設けるなどの配慮を施している事業所もありますので、在宅ワークを希望する前に実際の職場環境を見学することをおすすめします。
(3)在宅ワークを導入している企業で働く際のアピールになる
「完全在宅」「在宅ワークのみの募集」という求人が年々増えています。
在宅ワーク特有の報告・連絡・相談の流れに慣れておけば、応募する際のアピールポイントとなりそうです。
逆に1つ目のメリットでも述べたように、在宅ワークのない企業の面接を受ける場合は、在宅でも通勤でも対応可能なことを自身の特性を踏まえて説明できるようにしましょう。
(4)対人スキルに自信がなくても働ける(※場合による)
「人と接するのが苦手」という方は、一見在宅ワークのほうが適しているかもしれません。
ですが、仕事に関する質問や困りごとなどを直接口頭で伝えられない在宅ワークだからこそ、オンラインのチャットツールなどを駆使してこまめに状況を報告する必要があります。
業務内容によってはむしろ普段以上に連絡を取り合うのが在宅ワークの特徴ですので、一口にコミュニケーションといっても「何ができて、何が苦手か」を自身で把握したうえで通所もしくは在宅を選ぶようにしましょう。
続いて、在宅ワークのデメリットです。
(1)自宅なので気を抜いてしまう
(2)体調やメンタル面の変化に注意
(3)オンライン以外での対人スキルを身につけるのが難しい
(4)PCの設定を職場のルールに合わせる必要がある
こちらも同様にひとつずつ見ていきましょう。
(1)自宅なので気を抜いてしまう
自分の部屋で作業をしていると、机の上に置いてあるものが気になったり、ちょっと休憩するついでにベッドに寝転びそのままダラダラしてしまうなど「仕事時間」と「休憩」の区別がつかなくなる恐れもあります。
また、家族から話しかけられたりペットがじゃれてくるといった在宅ワーク特有の出来事も起こり得ますので、仕事とプライベートとのメリハリをつけて仕事をこなしていく自己管理能力が求められます。
(2)体調やメンタル面の変化に注意
事業所には福祉のプロである職員さんがいますので、メンタル面の悩みを聞いてもらったり、体調が悪ければ相談の上で早退することも可能です。
自宅のほうが外で働くよりもリラックスできるように思えますが、逆に自分が気付かないうちに精神的に追い詰められていたり顔色が悪くなっていたとしても、その変化を察して声をかけてくれる人がいません。
また、在宅だとお昼休みも部屋にこもってしまいがちなので、カーテンを開けて自然光を取り込んだり定期的に換気することをおすすめします。
(3)オンライン以外での対人スキルを身につけるのが難しい
オンラインでのコミュニケーションが完璧でも、やはり実際に人と接する際のマナーや言葉の伝え方というのは違ってくるので、それを在宅ワークでどう伸ばしていくかは難しいところです。
さらに、毎日自宅にいたとしても、ある程度の身だしなみや清潔感を保っておくことを含めての「コミュニケーション能力」といえます。
この記事を書いている私も、コロナ禍のため在宅ワークが半年ほど続いたことがありますが、誰とも会わない、喋らない時期が長くなればなるほど、人と接する際の感覚を取り戻すのに時間がかかったのを覚えています。
(4)PCの設定を職場のルールに合わせる必要がある
在宅でPC作業をする場合、その事業所からPCを貸し出されるか、元々自分が所有しているPCを使うかのどちらかとなります。
セキュリティ機能が付いておらず、いつの間にかウイルスに感染しているPCを仕事用に使ってしまうと、その事業所全てに被害が広がりかねません。
それを防ぐため、自分の所有PCであっても指定のウイルス対策ソフトをインストールする、PCの設定を変更する、そのPCで怪しいサイトを閲覧しない、といったルールを設けている事業所もあります。
PCを仕事用の設定にしてしまうとオンラインゲームができなくなる…など個人的な事情と職場のルールが衝突してしまう場合もあるので、どうしても都合が悪い場合は別のPCを用意するなどしましょう。
以上、就労支援系障害福祉サービスにおける在宅ワークのメリットとデメリットを紹介しました。
事業所によっては週5日のうち3日通所して2日自宅で働くといったように通所と在宅の「併用」が可能な場合もあります。
また、仕事に慣れるまでは通所して途中から在宅に切り替える、もしくはその逆を希望する方などパターンは様々ですので、まずは自身が利用を希望する事業所に問い合わせてみてください。