野菜サラダ

発達障害の『偏食』とどう向き合う?

TECTEC中田です!

発達障害を抱える人に多いのが「食べ物の好き嫌いが激しい」という悩み。

もちろん全員がそうではないものの、特定の食材や料理が苦手だという人は少なくありません。

私も今でこそ好き嫌いはほぼありませんが、子どもの頃はほとんどの野菜が食べられなかったり、特にカボチャはまだちょっと抵抗があったりします(心を無にして食べてます)。

なぜ発達障害の人は「偏食」傾向が強くなるのでしょうか。

一般的な原因としては

・口腔機能の問題
・感覚過敏
・こだわりの強さ

などが挙げられます。

誰でも程度の差こそあれ感覚過敏やこだわりは存在しますが、発達障害の場合は特にそれが顕著に現れてしまうようです。

煮魚と大根の炊いたん定食

<口腔機能の問題>

他人より成長のスピードが緩やかなために、口腔機能の発達が遅れてしまい、同年代が食べているものを食べられないことがあります。

噛む力が弱いために噛みやすいものばかりを食べたり、舌を器用に動かせず喉に送り込めないのでずっと口の中でモゴモゴしていたり丸呑みしがちです。

矯正が必要な場合もありますが、口腔機能の発達が追いつけば自然と問題なく食べられるようになります。

<感覚過敏>

「五感」という言葉があるように、味覚だけでなく触覚・嗅覚・聴覚などさまざまな感覚が繊細に反応してしまい、耐えきれずに吐き出してしまったり、見ることすら避けるようになります。

触覚には「口の中の触覚」も含まれますので、歯で噛んだ時にボソボソするとか舌触りがねっとりしていて気持ち悪いなども触覚が敏感といえます。

嗅覚は「匂いが苦手」というパターンで、魚の生臭さだったり油の匂いなどがその一例です。
炊き立てのお米など元々匂いの少ないものでも、自分だけが古米の臭みや炊飯器から移った匂いに気付いて食べられないことがあります。

聴覚に関しては「自分自身が物を噛む音」に拒否反応を示してしまうことがあります。
また、近くにいる人が味噌汁を飲んだり麺類をすする音を不快に感じてしまい、食べられなくなることも。

<こだわりの強さ>

「形が気持ち悪い」「赤い色は不味そう」などの思い込みにより、特定の食材が苦手になるというケースがよく見られます。

私は子どもの頃「煮豆」が嫌いでしたが、そのせいで「煮ているものは全て不味い」という思い込みが強く、お肉とジャガイモは好きなのに肉じゃがは食べられなかったりする時期がありました。

この色の食べ物は全部だめ、この調理法だと全て不味くなる、という「0か100か」の極端な捉え方をしてしまうのを「ハイコントラスト知覚」と呼ぶそうです。

ほかにも「○○は絶対に温めないと食べられない」「このおかずとご飯は一緒に食べたくない」「○○の会社の調味料しか使いたくない」など、その人ならではの譲れないこだわりを持っている場合があります。

家庭の食卓

【偏食の治し方】

極度の偏食は栄養のバランスを崩し、健康を損なう可能性が高いのでできるだけ無くしていくのが理想ではあります。

ですが、多少の偏食であれば必ずしも無理に治す必要がないというのが最近の考え方です。

幸いなことに今の日本では多種多様な食材や食品がありますので、不足しがちな栄養素を「嫌いなもの以外で補う」などの工夫で乗り切りながら、嫌いなものも徐々に克服していくのが最も良い方法だと思われます。

「生では食べられないが焼けば食べられる」「骨を取れば食べられる」といったように、最初から原因が分かっている場合は調理の仕方で解決するわけですから、焦ることはありません。

細かい偏食を過剰に気にすることなく、まずは一日三食しっかりと食事を楽しむという生活を心がけてみましょう。