TECTEC中田です!
就労継続支援A型/B型や就労移行支援をはじめ、各種就労支援事業所に通っている方の多くは「一般就労」を目標のひとつにしていると思います。
なかには就労経験がなく「人生で初めて働く」という方もいるはず。
そんな方々からよく聞かれるのが
「毎月どれくらいもらえるんですか?」
「働いた分はそのまま受け取れるんですか?」
といった「給料(給与)」に関する疑問です。
実はこれが、就職前に知っているかどうかで安心感が大きく変わるポイントでもあります。
※ちなみに「給料」と「給与」の違いですが、一般的な定義としては「基本となる給料に各種手当や賞与を足した金額」を「給与」と呼びます。今回の記事では便宜上「給料」で統一します。

<「給料(額面)」と「手取り」について>
まず大前提として、ハローワークや求人サイトなどで企業が提示している「給料」は、そのまま全額もらえるわけではありません。
一般企業の給料は
給料 − (税金+社会保険) = 手取り額(実際に振り込まれる金額)
という仕組みになっております。
(厳密にはもう少し複雑ですが、簡単に説明しています)
たとえば「月20万円の給料」と聞くと20万円もらえるように感じますが、そこから
・健康保険
・厚生年金保険
・介護保険(40歳から)
・雇用保険
などが差し引かれ、手取りは「給料より数万円少なくなる」のが一般的です。
※特に健康保険・厚生年金保険・介護保険の3つをまとめて「社会保険料」と呼びます。
この「給料と手取りの差」を知らないまま就職すると、
「思ったより少ない…」
「生活費の計算が合わない…」
と困ることになります。
社会保険料は医療費の自己負担を軽減したり、将来の年金として高齢期の生活を支えたりする役割があり、さらに病気やケガで働けないときの傷病手当や出産時のサポートなど、いざというときの生活を守る制度を維持するために必要なものです。
一見すると「ただ引かれるお金」のように感じますが「安心につながる仕組み」なのです。

<社会保険料は「4月〜6月の給料」で決まる?>
社会保険料は原則として、毎年4月・5月・6月の給料(厳密には給与)の平均で決まります。
この3ヶ月の給与を平均したものを「標準報酬月額」と呼び、標準報酬月額に基づいてその年の9月〜翌年8月の1年分の社会保険料を算出します。
長く働いている人でも意外に「知らなかった」というケースがあるので、特に注意が必要です。
もちろん7月以降の給与が極端に少なければ途中で見直されることもありますが、すぐに反映されるとは限りません。
「給料が多い月も少ない月もあるのに、なぜかずっと引かれる額が多い…」と不安にならないように覚えておきましょう。
<住民税は「あとから来る」>
特に注意したいのが住民税です。
住民税は「1年遅れて」請求される仕組みになっています。
正社員として就職した場合を例にとると
・就職1年目 → 住民税はほぼなし
・就職2年目 → 急に住民税がかかる
という流れになり、そのため
「2年目になったら急に手取りが減った!」
と感じる方がとても多いのです。
就職して自由に使えるお金が増えたからといって無計画に散財せず、後々かかる税金などのことも考えたうえで、ある程度貯金するようにしましょう。
<税金は“申請すれば戻ることがある”>
税金は「払いっぱなし」ではなく、あとから戻ることがあり、ここも見落とされがちなポイントです。
代表的なのは
・医療費控除(医療費が多かった場合)
・確定申告(副業やアルバイトがある場合)
などです。
会社員の場合は「年末調整」という仕組みで、払いすぎた税金が自動的に戻ることがよくあります。
(年末調整については、毎年11月頃に会社側から書類の提出を求められますので指示に従うようにしてください)
ただし「自分で申請しないと戻らないケースも多い」という点が重要です。
もしかしたら税金が戻ってくるかもしれないが、よく分からない…というときは、会社の経理部や労務部など担当部署の人に質問すれば分かる範囲で教えてくれるでしょう。

一般就労は、社会で自立して生きていくための第一歩です。
最初からすべてを理解している必要はありませんが「知らないと戸惑いやすいポイント」があるのも事実。
今回お伝えした内容を少し意識しておくだけでも、働き始めたあとの不安を大きく減らすことができると思います。
TECTECでも就労に向けたアドバイスを行っていますので、働くための準備を整えていきましょう。
※本文中のデータ・最新情報などは以下のサイトを参考にさせていただきました。
<国税庁>
<キャリタス就活>
「給与」と「給料」の違いを説明できますか?意外と知らない給与の仕組み
<B-O-Navi>
<西田秀作税理士事務所>