「ギフテッド」の才能を活かすには?~「優秀である」がゆえの苦しみも

TECTEC中田です!

最近「ギフテッド」という言葉を耳にする機会が増えてきました。

「この子はギフテッドかもしれないが、どうやって育てればよいのか、教育方針が分からない」と、相談のために専門機関を訪れる保護者も増えています。

ギフテッドとは「特定の分野で非常に優れた能力を持つ子ども」を指しますが、その実態は「天才」と呼ばれるような華やかなイメージだけではありません。

むしろ特異な能力のために周囲と噛み合わず、生きづらさを感じている当事者も少なくないのです。

ギフテッドはどのような点で誤解を受けやすいのか、そして才能や得意なことを伸ばすにはどのような支援が必要なのでしょうか。

「ギフテッド(Gifted)」とは直訳すると「贈り物を与えられた人」という意味で、特定の分野において平均よりはるかに高い能力を示す子どもを指します。

世界保健機関(WHO)や各国の教育機関での定義はさまざまですが、一般的には知能指数(IQ)が130以上、または同年齢集団の上位2%程度の能力を持つ子どもが「ギフテッド」と呼ばれることが多いようです。

ただし、ギフテッドの特徴は「知能の高さ」だけに限りません。

・音楽や美術、数学など特定の分野で突出した才能を発揮する
・記憶力や論理的思考力が極めて優れている
・抽象的な概念や複雑な問題を直感的に理解できる
・強い好奇心を持ち、自分の興味分野を深く掘り下げる

このような「飛び抜けた強み」を持っているのが特徴です。

その一方で、生活全般においては必ずしも「万能」ではありません。

ここに、大きな誤解と困難が潜んでいます。

ギフテッドという言葉が注目されるとき、多くの場合は「天才児」「すごい子」というイメージが先行します。

周囲から期待されすぎたり「できて当たり前」と思われたりすることで、本人に強いプレッシャーがかかることがあるのです。

また「頭が良いのだから、他のことも当然できるだろう」と誤解され、たとえば日常生活でのほんのささいなミスや、人間関係でのちょっとしたトラブルに対して「優秀なのにどうして?」という言葉を投げかけられると、子どもは大きなストレスを感じ、自己肯定感を失ってしまう場合も。

つまり、ギフテッドを「天才」とだけ捉えることは、本人を孤立させる要因にもなり得るのです。

ギフテッドの子どもたちがよく直面するのが、幼少期の段階から大人が学ぶような分野に興味を持つがゆえに「同年代の子と話が合わない」という問題です。

また、言葉の使い方が高度すぎて、クラスメイトよりも大人との会話の方が気が合うこともあります。

これが続くと「自分は学校に居場所がない」という思いを抱きがちです。

ですが、人間はみな一人ひとり心身の成長のスピードが異なり、何に興味や関心を持っているかも人それぞれです。

「全員が自分と同じではない」というコミュニケーションの基本となる考え方を伝えたうえで、「友達と馴染めない」といったような悩みを受け止め、一人で好きなことに集中する時間を十分にとれる環境が必要といえるでしょう。

もちろん、ギフテッドであってもアニメ、ゲーム、スポーツなど共通の趣味で仲の良い友達ができたり、みんなと一緒に遊んだりしている子も少なくありません。

趣味や専門分野に関するイベントやワークショップに参加し、学年関係なく好きなことを通じて友達を作る取り組みも近年では盛んになっています。

では、ギフテッドの子どもを支援するために、周囲の大人はどのように関わればよいのでしょうか。

  1. 「得意」と「苦手」を分けて考える

ギフテッドの子どもは、突出した才能がある一方で、感情のコントロールや集団行動、生活習慣の定着などが苦手な場合もあります。

大切なのは「できる部分」と「できない部分」を冷静に分けて考え、苦手なところを責めるのではなく、必要なサポートを行うことです。

  1. 興味関心を尊重し、伸ばす

ギフテッドの子どもは強い好奇心を持っているため、興味のある分野に没頭できる環境を整えてあげることは才能を健全に伸ばすうえで非常に重要です。

同時に、興味がないことに対して無理に強制すると、大きなストレスにつながります。

学校や家庭での学びを柔軟に組み合わせ、子どもの個性を尊重する姿勢が求められます。

  1. 同じ特性を持つ仲間とつながる

同年代との会話に違和感を抱きやすいギフテッドの子にとって「同じような特性を持つ仲間」と出会えることは安心感につながります。

ギフテッドを対象とした支援団体やフリースクール、専門プログラムに参加することで「自分だけではない」という気づきを得られるのです。

◆◇◆まとめ◆◇◆

ギフテッドの子どもを「天才」と持ち上げることも「できて当然」と突き放すことも、どちらも本人を追い詰めてしまう可能性があります。

大切なのは、子ども自身が感じている「優秀であるがゆえの苦しみ」にも目を向け、その子のペースで成長を支え続けることです。

才能や得意なことを伸ばすには、周囲の理解と適切な支援が欠かせません。

ギフテッドの子どもたちが自分の力を安心して発揮できる社会をつくることは、私たち大人の責任でもあるのです。

※本文中のデータ・最新情報などは以下のサイトを参考にさせていただきました。

<with class>

「どう育てたらいいかわからない」高IQ“ギフテッドの子”を持つ親が心がけるべき5つのこと

<東洋経済education×ICT>

「特異な才能のある子」に「特別の教育課程」、”ギフテッド教育”戸惑う教員に必要な視点

<NewsWeek>

突出した知的能力や創造性を持つ「ギフテッド」を埋没させるな

<PR TIMES>

ギフテッドの中高生のための新しい“居場所”が渋谷区に誕生

<Hanasone(ハナソネ)>

理系と比べ、受け皿が少ない!? 文系ギフテッドとは

<愛媛大学教育学部>

第57回「ギフテッドな子供たちの「友達づくり」について考える」

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