障害者雇用の面接で、採用担当者はどこを見る?

TECTEC中田です!

「障害者雇用枠で就職したいけれど、なかなか内定がもらえない」
「応募書類や面接で、自分自身の特性をうまく説明できない」
「この障害がある限り、就職は無理なのかも…」

就労支援の現場では、利用者さんからのこんな声をよく聞きます。

正直なところ、限られた都市部を除けば障害者求人自体がまだまだ少なく、職種によっては募集人員に対する応募者数も非常に多いため、障害者雇用枠での就職は確かに簡単ではありません。

ですが、単純に「能力が高い順」に就職できるわけではなく、自己アピールの仕方などを工夫すれば、自分に適した仕事が比較的スムーズに見つかることも。

障害者雇用での就職活動においては“どんな人材が採用されやすいのか”を知ることが成功への大きなヒントです。

今回は企業が障害者雇用で採用する際、採用担当者が実際に重視する主なポイントを紹介していきます。

<採用担当者が何よりも確かめたいのは「安定して働けるかどうか」>

多くの方が「仕事ができるか」「資格を持っているか」「実務経験があるか」といった部分で採用する人材を決めると思っているはずです。

もちろんそれも大切ですが、障害者雇用では“安定して働ける”ことが非常に高く評価されます。

あまり頻繁に欠勤・早退・遅刻などを繰り返すとその人に業務を任せにくくなりますし、採用後に仕事が長続きせず辞めてしまうと、企業が人材育成に費やしたコストが無駄になってしまうことに。

そのため、採用かどうかを決める際には「まずは安定性」という視点で判断しているのです。

休みがちだが、出勤したら驚異的なスピードで仕事をこなす…というレアケースでもなければ、長く安定して働いてもらえることがスキルや経験よりも優先されやすいのが実情です。

<「自分の障害特性について説明できるか」も大切な評価基準>

「自分の障害特性や配慮事項を、自分の言葉で他人にうまく説明できるかどうか」は、企業側がその人に必要な配慮をする上で非常に重要なポイントとなります。

どのような作業内容や職場環境が苦手なのか、どんなときにパニックや発作を起こしやすいのかなどを事前に伝えず、採用してからトラブルになることを採用担当者は一番避けたいからです。

応募書類の記入時や面接時に伝えるべき「配慮が必要な事項」は、たとえば以下のようなものが挙げられます。

・騒音、明るい光、匂いなど、感覚を刺激する特定の環境が苦手
・不可能、もしくは困難な種類の業務がある(電話応対、屋外での作業など)
・休憩時間の確保、気分が優れないときの周囲の対応、通院時の欠勤や早退
・仕事の覚え方や指示における配慮(分かりやすいマニュアルの作成など)

特に通院に関する状況や体調を崩しやすい時期などは先ほどの「安定して働けるかどうか」というポイントにも関わってくるので、しっかりと自己開示したほうがよいでしょう。

<コミュニケーション能力>

面接の段階になると「意思疎通がとれるかどうか」もチェックされます。

採用担当者は長年の経験によって「話し方」や「受け答え」の内容から、その人のコミュニケーション能力を判断しています。

質問に対して直接関係のない答えを返してしまう、相手の話をさえぎってしまう、相手の表情や雰囲気を全く読まず一方的に話し続けるといった傾向があると

「この人は実際の業務でも指示に従ってくれないのでは?」
「職場で他の従業員とうまく関われない可能性がある」

という不安を抱かれてしまいます。

もちろん、うまく話せない・何度も聞かないと理解できないこと自体が障害特性の場合もありますが、だからこそ「配慮が必要な事項」にそのあたりも含めて事前に伝えることが大切になってくるのです。

また、生きづらさを抱えている人のなかには、過去の就職活動で圧迫面接を受けた人も少なくありません。
そのような経験がトラウマになり、どうしても面接官に対して怯えた態度になったり、怒られたくない気持ちから受け答えがしどろもどろになってしまいがち。

障害者雇用においては面接官も応募者の繊細な部分をある程度理解していますので、過度に緊張せず、落ち着いた態度で堂々と面接に臨むようにしましょう。

必要な配慮を企業側に伝える際にひとつ注意すべきなのは「何もかも全て配慮してほしい」などの曖昧な表現を避けることです。

「できること」と「できないこと」を整理し、できるだけ具体的に伝えることで、採用担当者にとっても「この人と一緒に働くうえで、報告・連絡・相談がしっかりとできそうか」を判断する材料になります。

もちろん、現在の特性や症状が服薬によって緩和されていて、なおかつ自分自身で服薬管理がしっかりとできているのであれば、それもアピールポイントとして有効です。

企業側も、配慮のある雇用をしたいと考えているところが増えています。自分を偽らず、でも前向きに伝える姿勢が、何よりも大切です。

TECTECスクールでは、面接対策や自己理解を含めた就労サポートを必要に応じて実施しておりますので、興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

※本文中のデータ・最新情報などは以下のサイトを参考にさせていただきました。

<PR TIMES>

精神・発達障がい者採用、「体調の安定性」を最重視、約6割の企業が回答

<atGP>

障害者雇用の面接でよく聞かれる質問と注意点を紹介

<HRpro>

第4回:障がい者を採用するときに面接で確認しておきたいポイントとは

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