「発達カフェ」での正しい過ごし方は?普通の喫茶店より高い?安い?

TECTEC中田です!

かなり前の話になりますが、TECTECの公式Instagramで「発達カフェ」(発達障害カフェ)に関する記事が投稿されていました。

https://www.instagram.com/p/CtGlW-fLbKG/

この記事を公開したのは2023年6月です。

それから1年も経たず新しい発達カフェが続々と誕生し、夕方のニュースや全国紙の朝刊などでも取り上げられるほど話題になっています。

お時間のある方はInstagramもぜひご覧いただきたいのですが、内容を要約すると

・発達カフェとは、発達障害やその他の疾患によりメンタルに問題を抱えていたり、健常者であっても何らかの原因で日々生きづらさを感じている人たちが、お互いに悩みを相談し合ったり心の拠り所として集まるカフェである

・オーナーは発達障害当事者の場合もあれば、当事者を支援したい人がお店をオープンすることもある

・もちろん誰でも入店可能で、カフェメニューだけでなくお酒を注文できる店もあり、バーとして利用する人もいる

・快適な音量のBGM、食べ物はあまり刺激の強い味付けをしない、話しかけられたくない場合は事前に申告するなど、繊細な人に対する配慮がある

・カフェという性質上、立地が繁華街の中心である場合が多いので、雑踏が苦手な方は注意が必要

といったところです。

さて、今回は改めて「発達カフェ」の詳しい料金システムや店内での過ごし方をはじめ、NG行為・お客様同士の適切な関わり方を解説していきます。

<料金システム>

発達カフェに関して最もよくある質問が「普通の喫茶店より高いのか、安いのか」というものです。

発達カフェという言葉のイメージから、福祉と関係ありそうだし安いかも…と思われがちですが、現状では発達カフェに国が助成金を出すことはほとんどなく、個人の資金で運営しており、一般的な飲食店と値段は変わりません。

発達障害の方が心地よく過ごせるような設備や工夫にお金をかけているため、むしろ皆さんが思っているカフェの値段帯より若干高くなっていることも。

特に「チャージ(入店料・席料)」が必要なお店では、ドリンク一杯で500円…と思っていてもお会計の時にチャージ込みで1000円以上発生する場合があるので、料金システムはしっかりと確認してください。

なお、店舗によっては精神障害者保健福祉手帳や療育手帳(愛の手帳)を提出すると割引を受けられる場合があります。

あくまでも自分の予算内で楽しみ、料金システムを聞いて納得できるお店を選ぶようにしましょう。

<店内での過ごし方>

基本的には普通の飲食店と同じで、ドリンクを飲みながら思い思いに過ごす人が大半です。

お店によっては発達障害を持つお客様が描かれたイラストなどの作品が展示されていることも。
本棚に発達障害関連の書籍が置いてあるお店も多く「発達障害に理解がある場所」という安心感が高まります。

皆さんが発達カフェに期待しているのは「悩みごとを相談する」サービスかもしれません。

もちろんお店側もそのようなお客様が多いことを把握していますので、スタッフに話しかければ、気軽にアドバイスしてくれるでしょう。

ただし、これは法律の話になるのでここでは省略しますが、店員と客が一対一で長時間会話をするのは「過度の接客」になってしまい飲食店としてよろしくない場合があります。

そのため、皆さんの悩みに対して簡潔で短めの回答しか返ってこないかもしれませんが「冷たく対応された」とは思わないようにしましょう。

また、飲食店である以上、店内業務全般をこなさなければいけないので、お客様の集中する忙しそうな時間帯にしつこく悩みを聞いてもらうのもマナーとして良くありません。

店舗によっては福祉関係の人をゲストに招き、悩みごとをじっくりと聞いてもらうイベントを開催していることもありますので、事前にチェックしてみましょう。

<NG行為・他のお客様との関わり方>

先ほど述べた「店員さんが忙しい時でも過度に話しかけようとする」のはNG行為の代表例です。

しかしより注意が必要なのは「他のお客様と接する時のマナー」です。

同じ種類の悩みを持った人が集まる場所ですので、お客様同士が意気投合するケースもしばしば。

ですが、相手にも「これ以上は踏み込んでほしくない」というプライバシーの領域があり、その線引きは人によってバラバラです。

また、仲良くなった人がSNSでどんな内容を発信しているのかも気になるところですが、個人的なつぶやきなどを身近な人に見られることに抵抗を感じる人が一定数います。

お店以外では無理に連絡先を聞いたり、安易にSNSを交換するのは避けたほうがよいかもしれません。

以上、発達カフェで楽しく過ごすための大切なポイントを紹介いたしました。

「けっこうルールが多くて、何をやっても怒られそうだから余計に行きにくくなった」という人がいるかもしれませんが、皆さんが普段利用しているファーストフードやファミレスなどの飲食店と同じで、店員さんへの礼儀だけ忘れなければ大丈夫です。

最初は発達障害であることを明かさず、安心して自己開示できる店だと思えば2回目から本当のことを打ち明けるのもよいでしょう。

発達カフェが皆さんにとって、目まぐるしい日々の中で少し立ち止まれる宿り木であり、明日へのエネルギーをもらえるような場所になれば幸いです。