TECTEC中田です!
就労継続支援A型・B型事業所への通所を検討する際、事業所選びで大切なポイントが具体的な作業内容。
事業所一覧サイトなどを見ていると、よく目にするのが「施設外就労」というワードです。
施設外就労とは文字通り、事業所とは別の場所で働くことですが、この場合の「別の場所」とは「別の会社」という意味になります。
(たとえばオフィスが2ヶ所あるA型事業所であれば、オフィス間を移動しても施設外就労にはなりません)
普段の事業所とは全く異なる就労環境・作業内容のため、利用者さんのなかには「施設外就労に抵抗がある…」という方も少なくないでしょう。
ですが、事業所外でのコミュニケーションスキルを養う・新たな環境への順応力を身につけるなど、将来的に一般就労した職場においてスムーズに活躍できるようになるというメリットもあります。

施設外就労では、企業が行う作業を事業所が代わりに請け負います。
作業内容は多岐にわたりますが、比較的多いのは清掃・倉庫内作業・ポスティング・農作業など。
個人情報を扱うデータ入力等では情報を社外に持ち出すことが難しいため、デスクワークでも企業に赴いて施設外就労をする場合があるようです。
1人きりで作業することはあまりなく、複数の利用者さんと職員がユニットを組んで作業をするのが一般的。
施設外就労のルール上、1人以上の職員が同行することになっています。
実際に作業する現場に直接集合することもあれば、普段通っている事業所にいったん通所してから徒歩や車、公共交通機関を使って移動することもあります。
小休憩・昼食などは就労先である企業のタイムスケジュールに合わせて行うケースがほとんどです。
定められた退勤時間になれば、作業を終えてそのまま帰宅する、もしくはいったん事業所に戻ってから帰宅するというのが一日の流れ。
(企業側からの要望によって残業が発生することもあります)
事業所と企業が契約を結んで働くため、施設外就労で働いた時間分の給与も事業所から支払われます。
施設外就労のメリットは一般企業の中で実際に仕事をすることにより「事業所以外の人間とのコミュニケーション」に慣れることができる、ということ。
障害者雇用で就労する際にはA型・B型事業所と同じようにある程度の配慮を受けられますが、やはり事業所と違ってより一層の生産性が求められるため、配慮の度合いも異なってくるのが現実です。
企業での就労では自分から積極的に報告・連絡・相談を行いながら作業を進め、成果を出さなければならない場面も増えてきます。
ですので、職員さんに頼らずある程度自主的に作業を進める訓練としても、施設外での作業は役に立つといえるでしょう。

わたくし中田も、TECTECに来る前、別の就労継続支援A型事業所でポスティングの施設外就労を経験したことがあります。
企業から依頼され、いわゆる営業用パンフレットを一戸建て住宅・集合住宅の郵便受けに投函する作業です。
普段通っている事業所とは違う場所まで電車に乗り、ポスティングを行うエリアの最寄り駅に集合。
周辺地図を赤ペンで区切りながらブロックごとにポスティングの担当を決め、パンフレットの入った袋を持って作業を始めます。
作業自体はそれぞれ一人で行い、常に職員さんが横についているわけではありませんが、体調不良や怪我など緊急の場合は職員さんが駆けつけてくれます。
(職員さんも作業に参加しています)
郵便物以外のものをお断りしている家にパンフレットを投函してしまい、注意されることもゼロではありませんでしたが、その場で謝り、なおかつ職員さんが後日対応してくれたので大きなトラブルには発展しませんでした。
結果的には責任者(職員)の判断を仰ぐことになるのですが、何か仕事上のミスをしてしまった場合でも「とりあえず自分のできる範囲で対処する」という練習になったと思っています。
これは一般就労した際にも必要なことですので、もしも施設外就労のある事業所に通所することになった時はそのあたりを意識して働いてみてはいかがでしょうか。
以上、施設外就労のメリットと作業内容について紹介いたしました。
最近では特に「人手不足」の業界といわれている農作業などを事業所で請け負うことが増えているようです。
どのような作業であれ、少しでも社会に貢献できるように、そして自身の経験・スキルアップのためにもしっかりと取り組むようにしましょう。
※本文中のデータ・最新情報などは以下のサイトを参考にさせていただきました。
<NPO法人あいかわ工房>
<障がい福祉事業サービスセンター>
<LITALICO仕事ナビ>