TECTEC中田です!
かなり前の話になりますが、印刷会社「一心社」様の社長からお誘いを受け、紙で制作したアイデア商品展示会「ペーパーサミット」の取材をさせていただいたことがあります。

チーズ型のメモ帳など、ユニークな紙製の便利グッズが所狭しと並んでいました。
そのなかで気になったのが「カードゲーム&ボードゲームコーナー」です。

最近では若年層を中心に対戦用のトレーディングカードが流行しているほか、クリエイターやデザイナーの自作による紙製のアナログゲームが注目を集めており、マスコミにも「ボドゲ(ボードゲーム)ブーム」と報じられています。
紙の書籍や雑誌が売れなくなってきている昨今ですが、ボドゲブームが印刷業界を活性化させるかもしれませんね。
さて、これらのカードやボードを使って遊ぶゲームは「コミュニケーション能力の向上にも役立つ」と考えられています。
たとえば有名な「人狼」だと相手の表情を読み取ったり、場の空気を注意深く観察するスキルが求められます。
ビジネスの現場においても、他人との駆け引きによって勝負するタイプのカードゲームを新人研修で採用している会社があるほどです。
パソコンやスマホのゲームでは得がたい、生身の人間同士のやり取りを通じて、人間関係を養うことができるといわれています。
では実際に、カードゲームやボードゲームをプレイすることで、どのような種類のコミュニケーション能力が鍛えられるのでしょうか。
(以降、カードゲームとボードゲームを総称して、机や台の上で遊ぶという意味での「ボードゲーム」と呼ぶことにします)

<1.「協力すること」を学べる>
ボードゲームは必ずしも目の前の相手と戦うだけではなく、全員で協力してゲームクリアを目指すものもあります。
共通の目標を達成するためにお互い話し合い、戦略を練り、無事にクリアできたときには参加者同士の一体感が生まれ、仲良くなるきっかけにも。
私も過去に「悪いウイルスが世界に感染拡大していくのを、ワクチン研究などの情報を共有しながら防ぐゲーム」をプレイしたことがあります。
この場合、敵はウイルスであり、プレイヤー全員がひとつのチームとなって立ち向かうのです。
<2.相手の思考や行動を推理する>
複数人がテーブルを囲んでプレイすることの多いボードゲームは、ネット上でのゲームと異なり、相手の発言や声のトーン、表情などを観察するのも勝敗を分けるカギとなります。
「強いカードを出せば勝ち」というゲームがあったとして、自分の手札だけを見るのではなく、相手がどれくらい強いカードを持っているのかを読むことができれば勝率はさらにアップしますよね。
また、4~5人で一斉に戦うゲームであれば、他のプレイヤー同士を戦わせるように誘導して、お互いが強いカードを出し尽くしてしまったときに自分が強いカードで勝つ…という戦術も有効です。
表情・目線・仕草などから相手の気持ちを理解したり場の空気を読むことはいわゆる「ノンバーバル(非言語的)」コミュニケーションとして、人間関係の構築においては非常に大切です。
<3.自分自身の言葉や表現のバリエーションが増える>
カードに書かれた「お題」をジェスチャーで相手に伝えたり、単語カードを組み合わせてユーモラスな文章を作る、といったように「みんなで笑って楽しむ」パーティー系のゲームも根強い人気があります。
お題を当てるゲームの場合、出題者がどれだけ「語彙力」を持っているかがポイント。
たとえば「夏」という言葉を伝えるのに「『夏』と言ってはいけない」ルールがあるとして、花火・浴衣・スイカ・お盆休み…など、関連する言葉をいくつも思い浮かべることにより「会話や文章作成における表現の幅」が増え、国語力が鍛えられます。
また、ボードゲーム好き以外の方にも有名な「はぁって言うゲーム」は、「はぁ」「うん」「えー」「おーい」といった感嘆詞のカードが入っており、表情や声のトーンを使い分けることで「どんな気持ちで言ったのか」を相手に正解させるゲーム。
こちらも、他人とのコミュニケーションの際に大切な「相手を不愉快にさせない言い方」「自分の気持ちを正しく伝える言い方」などを学ぶことができます。

以上、ボードゲームがコミュニケーション能力の向上に繋がる理由を紹介いたしました。
日本では昔から囲碁・将棋・花札などのいわゆる「テーブルゲーム」があり、海外発祥のトランプや麻雀、チェスなども今となっては多くの日本人に親しまれています。
これら全て、広い意味でボードゲームといえるでしょう。
相手の心理を読み、さらには自分の意図や目的を盤面(卓上)でいかに表現し、いかに気付かれないようにするか…。
こうした駆け引きがゲームの魅力であり、コミュニケーション能力を磨く絶好の機会となります。
ゲームを通じて身につけたスキルは、日常生活でもきっと役立つ場面が来るはずです!
※本文中のデータ・最新情報などは以下のサイトを参考にさせていただきました。
<Lexio>
<僕ボド>
<STORY Web>
遊びながら能力UP!プロがオススメするボードゲーム12選【家でできる遊び】
<55レッスン 発達支援ブログ>
<note(高尾トンビ)>