発達障害「グレーゾーン」=「軽度」という思い込みは間違い?~症状を正しく理解する~

TECTEC中田です!

「忘れ物が多い、周囲の空気が読めないなど『自分は発達障害ではないか』と思い、メンタルクリニックに行ってみたものの、発達障害の診断は受けなかった」

という人が増えています。

このような、発達障害の傾向が見られるものの、診断名がつくには至らなかった状態を「グレーゾーン」と呼ぶのが定着しているようです。

グレーゾーンの人は正式に発達障害であると診断されていないにもかかわらず、日常では定型発達の人よりも困りごとが多いという生きづらさを抱えています。

「自分は発達障害だと確信して医師に相談したのに、診断されなかったということは、福祉のサポートを何も受けられないんだ」と思っている人もいるでしょう。

逆に「医師が『発達障害』と診断しなかったから、自分は大丈夫」「症状が軽いので、きっと支援は必要ないのだろう」と楽観視する人もいるはず。

しかし、実際には必ずしも「診断がつかない=何も困っていない」あるいは「支援が不要(受けたくても受けられない)」というわけではありません。

「グレーゾーン」(もしくは「発達障害グレーゾーン」)とは

・ASD(自閉スペクトラム症)
・ADHD(注意欠如/多動症)
・LD(学習障害)

などを含む発達障害に関して、

「診断基準を満たさないが、発達障害の特性(認知・行動・コミュニケーションの傾向)がみられる」

状態を指して使われることが一般的です。

正式な診断名がつかない理由としては、もちろん個々の医師による見解の違いもあるのですが、

「発達障害であることが疑われる言動や特性があり、発達障害の可能性は否定できないが、診断基準を満たしていない」

ために発達障害と診断されないケースが比較的多いようです。

また、その人自身が置かれている生活環境や職場環境、学習環境などによっては発達障害の傾向があってもほぼ一般的な生活を送れていることがあるため「日常に支障をきたしている」と判断しにくい場合も。

そのほか、年齢を重ねるにつれて自分の発達特性を把握し、それを乗り越える工夫や対応力を身につけた人であれば、医師から見ても「明らかに困っている」と短時間で判断するのが難しいといわれています。

つまり、本来なら診断名がつくレベルの発達障害であっても受診時の状況によって診断されないだけ、という可能性もありますので、一概に「グレーゾーン=症状が軽い(=特性が弱い)」と考えるのは禁物です。

むしろ、診断されていないがゆえに、困りごとが発生しても

・周囲の理解や支援が行き届かない場合がある
・自分に責任があると思い込みやすい
・困りごとが深刻化したときの対応が遅れてしまう

という現実があります。

グレーゾーンだからこそ、発達障害の影響によってメンタル面が悪化しないように周囲のサポートが必要なのです。

発達障害グレーゾーンの状態は、正式な診断名がないため、障害者手帳が取得できず、公的支援制度の枠から外れやすいといった問題があります。

さて、ここで気になるのは

「発達障害と診断されなかったら、就労継続支援A型・B型や就労移行支援事業所などの就労系福祉サービスは受けられない?」

という疑問です。

障害者手帳を持たなくても、日常生活や就労において明確な困りごとを抱えている場合、医師から意見書などを書いてもらえば、就労系福祉サービスを利用できる可能性があります。

現時点では発達障害と診断されず一般就労している人でも

・仕事をするたび極端に心身の疲労がある
・職場での人とのコミュニケーションが困難
・作業量・指示形態・マルチタスクの切り替えで無理をしている

など、自分なりに“困っている実感”がある場合には、しかるべき支援機関に相談することをおすすめします。

ただし、すべての福祉支援制度が「診断不要・手帳不要」というわけではなく、自治体・事業所によって利用条件・審査の基準が異なりますので、あらかじめ地域の窓口に確認することが重要です。

ちなみに私は最初に訪れた病院で「一般の就労が困難」と判断されたものの発達障害とは診断されなかったのですが(現在は診断されている)、医師の意見書を役所に提出した結果、就労移行支援事業所を利用することができました。

このようなケースもやはり居住地域や制度の変更によって状況が違ってくると思いますので、まずは役所に問い合わせてみましょう。

以上、発達障害グレーゾーンの定義について解説しました。

とはいえ、医師が診察の際に「グレーゾーン」という単語を使うことはあまりなく、一般的には「本人が気になるのであれば何回か通って様子を見る」という結論になると思います。

発達障害かどうかはあくまでも専門知識を持った医師が判断するため、周囲から「やはり何らかの診断名がつくのではないか」と指摘されたとしても、医師に不信感を抱く必要はありません。

ですが、もしも長期にわたって診断名がつかない場合は、セカンドオピニオンとして病院を変えてみるという選択肢もあるでしょう。

また、文中でも述べたように、今現在困りごとがなくても本質的に「日常に支障をきたしやすい」特性を秘めている可能性もありますので、自分自身が納得できる診断を受けることが大切です。

※本文中のデータ・最新情報などは以下のサイトを参考にさせていただきました。

<with class>

「グレーゾーン」は症状が軽いという意味じゃない! 発達障害の正しい知識と病院選びの注意点

<おとなの発達障害ナビ>

発達障害のグレーゾーンとは

<ダイヤモンドオンライン>

「なんでもADHDのせいにする人、増えてない?」“自称ADHD”を放っておくと危ない理由【精神科医が解説】

<ウェルビーキャンパス>

これって発達障害?グレーゾーンの中学生に見られる特徴と対応策

<LITALICO仕事ナビ>

発達障害の「グレーゾーン」とは?特徴、仕事・生活での適切な対処法【専門家監修】

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