TECTEC中田です!
SNSを見ていると毎日のように「発達障害あるある」的なネタを目にします。
そのなかでも代表的なものが
「ものをすぐ無くす」
ではないでしょうか。
私自身、ビニール傘はたぶん年間に20本以上無くしてますし、銀行通帳・キャッシュカード・マイナンバーカード・障害者手帳・年金手帳なども人生で合計すると10回以上は再発行しています…。
病院の診察券やお店のポイントカードといった細かいものに至っては、用事を終えて自宅に戻って来た時点でもはやどこに入れたのか分かりません。
交通系ICカードなどは新しく作り直す際にデポジットがかかってしまうので、もう7~8年前から使うことをやめました。
今こうやって私の実例を挙げたのは「発達障害の特性でものを無くすのは、あなただけじゃないから安心して!」と伝えたかった、というのもあります。
とはいえ、傘もそうですが「お金を払って買ったもの」を無くしてしまうと同じものを何度も買うことになり、家計を圧迫するのは確かです。
ムダな支出を減らすためにも、なるべくものを無くさないための方法を考えてみたいと思います。

<そもそもなぜものを無くすのか?>
記憶には短期記憶と長期記憶があり、発達障害の人は長期記憶の能力が優れているといわれています。
興味のあることに関してはずっと覚えているのも、その典型例ですね。
一方で短期記憶が苦手とされているため、たとえばカフェに入った際に
「スマホとカバンとマフラーと傘を忘れないようにしないと」
と思っていて、他の3つは覚えていたけど傘を忘れてしまう、ということがあります。
また、特にADHDの方は
「興味のあることに夢中になると他のことが上の空になる」
特性があるため、たとえばATMでお金をおろした直後に友達と好きな芸能人の話などをしていると、手に持っていた財布をいつものカバンに入れずなぜか無意識のうちに買い物袋などに入れてしまい、数分後に「財布がカバンの中にない!」と慌てる…という展開になりがち。
この場合はものを無くしたわけではありませんが、やはりできれば改善したいところです。
ちなみに私は自転車に乗りながら考え事をしていて、スーパーなどの駐輪場に着いた時も考え事を続けていたので、前カゴにカバンを入れたまま手ぶらでお店に入ってしまうことがしょちゅうあります。
(幸い、気付く前に盗まれたことはまだありませんが…)
<「リュックがずっしり」は是か非か?>
私と同じくらいものを無くしやすい人で、身分証を含めて大切なものを全てリュックサックに入れ、肌身離さず背負っている人がいます。
爪切りや耳かきから住んでいるマンションの契約書まで入れているので重いことこの上ない代わりに、ここ数年間は大切なものを無くしていないとのこと。
(爪切り…無くしやすいですよね)
個人的にはものを無くして精神的に混乱するよりも「とりあえず」の応急処置としてそのような対策をとるのは決して悪くないと考えます。
まずは自分の中で「無くしてはいけないもの」を把握した上で、部屋を片付ける・整理棚を作るなどしてそれらの分かりやすい置き場所を確保し、リュックの中身を少しずつ減らしていけばよいのではないでしょうか。
<ものを無くさない方法その1「メモをとる」>
メモをとることすら忘れるのが発達障害なので…と私自身も開き直りたいところですが、どうしてもこの方法がものを無くさないために有効であることは間違いありません。
外出する際にはカバンに何を入れるべきか、帰宅時にはカバンに入れたものが全部入っているか、家のどこに大切なものを置いたか、置き場所を変更する際にはどこに変更したかなど、手間ではありますがメモを見ながらチェックしていくのが最も確実です。
また、メモをとっておくことで、たとえば外出から戻って来た時に「薬を入れた袋」が無くなっていたとしてもメモを見ればすぐ気付きますし、外出中に立ち寄ったお店に問い合わせることができます。
ものを無くさないだけでなく「無くしたことに気付くまでの時間が短いほど盗まれにくく、発見しやすい」というのも大切なポイントです。
<ものを無くさない方法その2「置き場所を決める」>
先ほどの「メモ」と若干重複しますが、やはり大切なものはしっかりと置き場所を決め、むやみやたらとあちこちに置かないのが賢明です。
「家のどこかにあるはずだけど見当たらない」というとき、部屋が散らかっていたり、物が多いせいにしがちですが、本当の原因は「無意識のうちに突拍子もない場所に置いてしまう」行為にあります。
特にスマホと財布は「家の中で無くしやすいもの」の二大巨頭ではないでしょうか。
外出前にスマホと財布が見つからず遅刻が確定してしまい、よく見たら布団や衣類に埋もれていた、なんていう経験は一度や二度ではないはず。
「これはここに置く」というのを自分の中で習慣づけることによって、置き場所に関する情報を「長期記憶」に変えていきましょう。
<ものを無くさない方法その3「GPSをつける」>
外出先でよくものを無くすという人には、最後の手段としてGPSを取り付けるのも効果的です。
最近ではタグタイプやステッカータイプなど小型で気軽につけられるものが増えてきました。
安いものだと1000円前後から購入できるようです。
たとえば財布をお店のテーブルの上やトイレの個室などに置き忘れたとして、それを発見した人も「財布にGPSがついている」ことをなんとなく察知するので、出来心で自分のものにしてしまうというトラブルをかなりの確率で未然に防げます。
あとは大勢の集まりに参加した時など、全員の荷物・カバン類を部屋の隅っこにまとめて置いてる場合、他人の荷物の下にあっても発見しやすくなりますし、逆に他人のものを間違って持って帰ってしまうこともありません。

ものを無くすということはただ不便になるだけではなく「探すという行為」で体力やメンタルをすり減らしてしまうことになります。
少しでもストレスのない日常を過ごすためには、その時必要なものがすぐに取り出せるように、普段から身の回りの整理整頓をしておくに越したことはないでしょう。
消耗品であっても「最後まで使い切る」ことはSDGsの基本でもありますので、ぜひ明日からでも「ものを無くさない方法」を実践してみてください。
※本文中のデータ・最新情報などは以下のサイトを参考にさせていただきました。
<就労移行支援事業所ディーキャリア>
<放課後等デイサービス・児童発達支援「こどもプラス」>
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<就労移行ラボ>
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<カラエト>