ADHD/ASDとの関係性は?LD(学習障害)について

TECTEC中田です!

皆さんはこのような画像を見たことがあるでしょうか?

「ADHD」「ASD」「LD」の3つの円がありますが、人によってはこの3つの発達特性が重なり合って現れる場合がある、ことを説明するためのイメージ画像ですね。

ネットなどで発達障害のことを調べると、似たような画像が頻繁に登場すると思います。

実際の発達特性はもっと複雑であり、この図だけですべてを単純に説明できるわけではありませんが…。

さて、この画像に書かれている「LD」についてです。

「ADHD」「ASD」という言葉がここ数年で広く知られるようになった一方で「LD」が実際にどのような特性なのか、あまりご存じない方も多いと思います。

今回は「LD」についてその定義や特性を紹介するとともに、ADHD・ASDとの関係を解説いたします。

LDは「Learning Disabilities(ラーニング・ディスアビリティーズ)」の略で、日本語では「学習障害」と訳されます。

文部科学省では

「基本的には全般的な知的発達に遅れはないものの『聞く』『話す』『読む』『書く』『計算する』『推論する』能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す状態」

とされており、困難の程度に応じて、指導方法や教育的な対応を工夫することが求められています。

たとえば

・文字や文章を正確に読んだり、内容を理解したりすることが難しい(読字の困難)
・書こうとしても文字の形がうまく再現できない(書字の困難)
・簡単な計算でも手順が混乱してしまう(計算の困難)

などが挙げられます。

近年医療の分野では「SLD(限局性学習症)」という診断名が使われることも。

LDは文部科学省の教育的な定義であり、LDとSLDは、使用される分野や判断基準などが異なります。

米国精神医学会の診断基準DSM-5およびDSM-5-TRでは「限局性学習症」に相当する診断名が使われていますが、厳密な違いについての解説は今回省略いたします。

LDを理解する際に大切なのは、決して本人の「勉強嫌い」や「努力不足」が原因ではない、という点です。

「作文を考えることは好きだけれど、文字を書くのに周囲よりも長い時間がかかる」といったケースもあります。

ですが周囲からは「もっと頑張れば上達するはず」「なんでこんな簡単なことができないの?」と誤解されやすく、本人が強いストレスや自己否定感を抱えてしまいがちです。

日常生活のなかで

「文章を読むとき、同じ行を2回読んでしまう」
「漢字を書くとき、大きさがバラバラになる」
「足し算や引き算の繰り上がり・繰り下がりを間違えてしまう」

といったことは、誰にでも起こる可能性があります。

こうした間違いが一度あっただけで、すぐにLDと判断されるわけではありません。

特定の分野に関する困難が継続し、学習や日常生活に大きな支障が生じているかどうかが重要になります。

ADHDにおける「忘れものが多い」などと同じように、困りごとのグラデーションがだんだん濃くなっていくに従って「極度に苦手」という特性が顕在化するわけです。

LDは神経発達に関係する特性の一つと考えられていますが、詳しい原因はまだ完全に解明されていません。

また、ADHDやASDとの関係性も考慮する必要があります。

結論から言うと、LDの特性は単独で見られることもあれば、

・ADHDの不注意によって、文章の読み飛ばしや計算上の見落としなど、LDと似た困難が生じる
・ASDの「こだわり」や「認知特性」によって、文章の文脈理解が難しい

というように、LDがADHDやASDと併存することもあれば、ADHDやASDの特性によってLDと似た困難が現れることもあります。

同じ「読み書きが苦手」という状態でも

・LDとしての特性が強いのか
・ADHDやASDに伴う特性が影響しているのか
・学習方法が本人に合っていないなど、環境的な要因があるのか

は、人によって異なります。

そのため、一律の対応をしてしまうと支援がうまくいかないこともあるのです。

LDのある人への支援では、苦手な部分を繰り返し練習するだけでなく「取り組む方法を変える」という視点も大切だといわれています。

・読むのが苦手な場合 → 音声読み上げ機能や映像教材を活用する
・書くのが苦手な場合 → タブレットやパソコンで入力する
・計算が苦手な場合 → 電卓やアプリを活用する

といったように、その人に合った手段を選ぶことで、負担を大きく減らすことができます。

就労の場面でも同様です。

「書類作成が苦手だから、事務の仕事には就けない」と決めつけるのではなく

「入力方法を工夫すれば活躍できる可能性がある」

という視点を持つことが、とても重要になります。

LDは「見えにくい特性」であるため、周囲の理解が得られにくいこともありますが、適切な環境と工夫があれば、その人の能力を発揮できる場面は確実に広がります。

「できないこと」ではなく「どうすればできるか」を一緒に考えていくこと。

それが、支援の第一歩ではないでしょうか。

※本文中のデータ・最新情報などは以下のサイトを参考にさせていただきました。

<文部科学省>

(8)学習障害

<スタジオそら>

学習障害/限局性学習症(LD/SLD)とは?特徴、支援方法を解説します。

<エンカレッジ>

SLD(限局性学習障害)とは?その特性と学生への対応のポイント

<LITALICOジュニア>

学習障害(LD)とは

<DI-AGENT>

大人の学習障害(LD/SLD)とは?仕事の「しんどさ」を和らげるヒントと、自分らしく働くためのポイント

<マドレクリニック>

学習障害(LD)

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